感覚過敏やHSPでも工夫次第でもっと生きやすくなる
先日、早く起きて電車移動だった私。
まだ人もそれほど多くない時間帯で、雨は降ってたけど清々しいはずの朝なのに、しばらく歩いたらアレ?キモチワルイ……。
あれ?今日も景色が気持ち悪い……。道端に生えている草も転がっている石ころでさえダメ。電車の中の小さな落書きですらダメ…。この感覚前もあったけど、どうやら朝早くに外を歩くとダメみたい…?自転車や車でシャーッと通りすぎるならOK。想像が膨らんで気持ち悪い……感覚が過敏なんだろうな……
— Chikarin!(ADHD) (@chikarino1) 2017年5月23日
吐きそうとかめまいがするとかそういう感覚とは違って、言葉ではうまく言い表せないんだけど、脚がその場の地面についていて、身体がその場の空気に触れていて、目でその場の景色を見ていて、鼻でその場の空気を吸い込んでいて、耳からその場の音が入ってくる、それら全てが耐え難い……。
具体的に言うと、用水路で鳴くカエル、土の中にいるであろう大量の微生物、雨の日の朝の世界の青っぽい濁ったグレーの色、向こうを散歩しているおじさんが吐き出す空気や肌から分泌されているであろう目に見えない汗や油、コケの胞子?の1本1本、地面で跳ね返ってくる雨とそれに混じっているであろうホコリや土。
どうにも説明出来ないし分かってもらえないかもしれないんですが、そういう細かいもの全てが私の感覚を襲うのです。
思い返せばこの間もそうでした。
薬がないせいかはわからないけど、ここの所感じたことがなかった感覚がまた。駅まで歩いてるんですが、鳥の声や緑の色に清々しいなと思っていたのにさっきから急に新芽が虫の幼虫みたいに感じてしまったり、落ちて潰れていたジャガイモの画か頭から離れなく気持ち悪い……想像力が働きすぎる感じ……
— Chikarin!(ADHD) (@chikarino1) 2017年4月26日
薬を飲み始める前はこういうことしょっちゅうだった。薬を忘れた不安で気にしすぎてるだけかな…?感覚が過敏になっている感じ。イメージが頭から離れないだけじゃなくて想像が派生してどんどん広がる。この感覚はアウトプットしないと自分がもたない。爆発しないよう少しでもここで呟きます(>_<)
— Chikarin!(ADHD) (@chikarino1) 2017年4月26日
今電車に揺られています。電車の匂いと、学生たちの声が飛び交うのが辛い。話の内容はほぼ入ってこないのに、大きな音として頭にぐわんぐわん響く。もうやめてー!と叫びたいくらい。ごっついヘッドフォンつけて目を閉じてなんとか降りる駅までしのぎます……
— Chikarin!(ADHD) (@chikarino1) 2017年4月26日
ワーッ!と叫びだしたくなるようないてもたってもいられないザワザワするキモチワルイ感覚。
そう言えば最近はあまりなかったけど、子どもの頃は今よりもっと高い頻度でこの感覚になってたぞ……。
そして、今回もこの間もこんな感覚になったのは朝だった。
これは一体何なの!?
気になって、ネットで調べてみたのです。
そして上がってきたワードが「感受性」でした。
The Highly Sensitive Person
今ネットサーフィンしてて、エイレン・アーロンって言う人が研究してるHSP『The Highly Sensitive Person(とても繊細な人)』(ザ・ハイリー・センシティブ・パーソン)っていう言葉を知った……。
— Chikarin!(ADHD) (@chikarino1) 2017年5月23日
このキモチワルイ感覚はなんなんだ……
そう思って調べているうちに、ふと子どもの頃言われた「Chikarin!ちゃんはカンジュセイが豊かなんだね」という言葉を思い出しました。
そして行き当たったのが、エイレン・アーロン氏が研究しているHSP『The Highly Sensitive Person(とても繊細な人)』。
HSP(the Highly sensitive person)とは?
ハイリー・センシティブ・パーソン(英語: Highly sensitive person, HSP)とは、生得的な特性として、高度な感覚処理感受性(あるいは、カール・ユングの造語で言えば生得的感受性)を持つ人のこと。共通して見られる特徴として、大きな音、眩しい光・蛍光灯、強い匂いのような刺激に対して敏感であることが挙げられる。HSPはしばしば、豊かで複雑な内的生活を送っているという自覚をもっている。物事に対して容易に驚き、短い時間にたくさんのことを成し遂げるよう要求されると混乱するという性質を持つ。
HSPは男女によって偏りはなく、5人に1人はいるというデータもあるそうです。意外と多いですね。
あ、もしかしたら私も当てはまるかも……とすぐに思いました。
実際、セルフチェックでもほぼ全ての項目でYESでした。
HSPについて、詳しく知りたい方、セルフチェックしてみたい方はこちらをご覧ください。
書籍も出ています。
ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。 (SB文庫)
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HSPの4つの特徴
HSPには大きく分けて4つの特徴があるそうです。
- 処理の深さ(Depth of processing)
- (他の人と比較して容易に起きる)過度な興奮(Over aroused)
- 感情的反応性・高度な共感性(Emotional reactivity and high empathy)
- 些細な刺激に対する感受性(Sensitivity to subtle stimuli)
この頭文字をとって、HSPの特徴は「DOES」と表されることがあります。
感覚の過敏性があっても、これら4つの特性のうち、一つでも当てはまらない部分があるなら、その人はHSPではないとされています。
1.処理の深さ
刺激や情報が入ってきたとき、他の人よりもさらに深く感じたり考えたりします。
例えば、年齢以上に大人びた受け答えをしたり、初めて経験することや初めて訪れる場所に慣れるのに時間がかかったりという行動にも現れるそう。
その場の状況や相手の気持ちを深く読み取ろうとして、相手の顔色を窺ってしまう。
2.過度な興奮
自分の内なる変化にも周りの変化にも、人一倍よく気がついたり異変を察知したりします。
精神的にかなりの負担がかかるため、疲れやすいという症状となって現れることが多いようです。
目・耳・鼻など五感で感じる刺激から多くのことを読み取りすぎてしまうので、無意識のうちにストレスになっていることもしばしばあります。
情報が多く賑やかな(視覚的・聴覚的)場所では疲れ切ってしまいます。
3.感情的反応性・高度な共感性
喜怒哀楽が激しくなりがちです。感情表現が豊かで、他の人の気持ちに共感しやすく、他人の顔色を必要以上によんだり、映画の主人公に感情移入して号泣してしまったり、人でないモノにさえ感情移入してしまうこともあります。
4.些細な刺激に関する感受性
物事のちょっとした変化によく気が付きます。
些細な刺激や変化に気が付きやすいのは感覚過敏のせいというよりも、入ってきた情報の受け皿が大きい(感受性が強い)からだとエイレン・アーロン氏は著書「ひといちばい敏感な子」の中で言っています。
映画や小説や絵で号泣しちゃうタイプだし、今朝玄関出た瞬間「細い雨がサーっと降っていて色濃くなってきた緑が濡れてより深く感じるな。田んぼにはまだ水が張っていないからカエルが嬉しそうに鳴いてるな…云々」、雨の日特有の砂を踏む感覚や香り…。これ、めんどくせぇと思われるやつだ(^^;) https://t.co/6UiGwKFqXI
— Chikarin!(ADHD) (@chikarino1) 2017年5月23日
ASDとHSPは間違われやすい
この2つの違いはこんなところにあります。
HSPは、音、匂い、色などどれか一つの刺激に対してだけ過敏に反応するのではなく、さまざまな感覚に過敏に反応してしまいます。
一方でASDの人は感覚面においても感情面においても、とても敏感なところがあるかと思えば、他の人だったら不快に思ったり、とても痛いと感じることに対して鈍感だったりすることがあります。
ASDの人は脳の特性で感じた刺激を「常に」独自のルールで処理してしまうのに対し、HSPは刺激過多になった場合にだけ、感情面や感覚面で感覚があふれ出してしまうのです。
※サイトは日本語訳してあります。
ADHDとHSPとの関係性について
HSPとADHDはよく似ていますが、実は正反対です。ADHDを持っている方は、「分かっちゃいるけどやってしまう」に心当たりがあると思います。
分かってはいるけれど衝動を抑えることが難しいというのがADHDなら、HSPは行動を起こす前に「一旦立ち止まって深く考える」という傾向を持っています。
また実際に動き始めてからも、一つ一つ深く考えたりいろんなところに気をまわしながら行います。
しかし、重要なことがあります。
ADHDとHSPこの2つは真逆の傾向ですが、共存でないとは言い切れません。
パターンとしては
1.本当はADDではなくHSPである可能性
この3つが考えられます。
HSPかADHDがどうかを判断する時の一つの基準として、エイレン・アーロン氏は「その人が静かな場所で集中していられるかどうか」を挙げています。
ADHDがある人は、物音ひとつしない静かな場所で集中していることが難しくむしろすこしくらい雑音があったほうが集中できたりしませんか?
しかし、HSPは、静かな場所で神経が高ぶっていないときこそ、優れた集中力を発揮できます。刺激が多い状況だと、脳が刺激から身を守るためにパフォーマンスを下げてしまい、普通の人以上に状況の変化に気づくのが難しくなることもあるのだということです。
※サイトは日本語訳してあります。
感覚過敏がある皆さんに質問です。朝って感覚がより過敏になりませんか……?今電車の中なのですが、人の息遣いとかヒソヒソ声とか、雨の匂いとか、靴についた砂の感覚とか、目に入ってくる景色とか、ダメ。気持ち悪い……想像が膨らんでゾワゾワする……ワーー!!!って叫び出したいの必死で我慢 https://t.co/QXcDDpiqzC
— Chikarin!(ADHD) (@chikarino1) 2017年5月23日
HSPに大切なのは情報を引き算すること
HSPには刺激、それ以外の神経の高ぶり、ストレスの原因となるものを減らすことが必要です。
感受性が高いので、放っておくと無意識に全部取り込もうとして体が悲鳴を上げてしまうのです。
普通の人以上に、情報の取捨選択を意識して生活していくことが必要なのだと感じました。
色んな情報が一気に自分の間隔を襲ってきて、さらに深く考えすぎてしまうことから想像が膨らみすぎてしまう……まさにこの間私が困ってツイートした通りです。
感じ取ってしまう・深く考えてしまうのが持って生まれた特性で仕方ないとすれば、「あ、また感じ取ってしまった。でもこれは今の私には必要ないよね」「あ、これは今感じなくていいことだよね」と取捨選択して、少しづつ少しづつ引き算していけばいいのです。
そしてキャパを超えるもの、今は必要ない物は余分です。余分なものは足し算しない。
人やモノとの関係も、五感で感じる感覚も、全部受け止めるのではなく今の自分にとって必要なものだけを選んで生きてくことができれば、ずいぶん生きやすくなりそうです。
アウトプットの重要性
入ってくる感覚の洪水に押しつぶされそうになったら、アウトプットすることが大切です。
インプットばかりだといつかせき止められていた感情が溢れて、刺激の波にやられてしまいます。
なんか自分の感覚が分かってホッとしたー。子どもの頃は感じたことを表現できる「言葉」をまだ持ってなかった。アウトプットしないと爆発しそうなのに表現出来ないし、「あのね!」が多すぎて大人は聞いてくれない。大人になって語彙も増えて、今では文章と絵は私にとって大事な表現方法だし発散方法。
— Chikarin!(ADHD) (@chikarino1) 2017年5月23日
今日はTwitterのお陰で乗り切れた(>_<)!感受性が強すぎて気持ち悪くなるけど、全身で感じる溢れそうな感覚を言葉や絵でアウトプットすると少し楽になる。そのアウトプットする術を持っていないと「ワー!!」って叫びだしちゃったり体がソワソワ動いちゃったりするのじゃないかな……?
— Chikarin!(ADHD) (@chikarino1) 2017年5月23日
可能性も秘めている
「繊細で感受性豊かで疲れ果ててしまう」そんなHSPですが、大きな可能性もまた秘めています。
強い感受性と豊かな創造性はアーティストや学者向き。
独自のユニークな表現に繋がります。
また、HSPは落ち込んだり不安になりやすいことが分かっていますが、深く考えたり、共感したり、ちょっとした刺激に反応してしまう特性はネガティブな方向だけでなくポジティブな方向へもとことん豊かに働きます。
環境が良ければ、人一倍プラスに作用し吸収できるのです。
このことから見ても、情報を取捨選択し「今の自分に必要なものは何か」しっかり考えることが大切です。
そのためにはまずは自分を知ること。
自分を理解するって大事。深く考えるって大事。知識って大事。自分と向き合うって考えたくない事や見ないふりしておきたい事と向き合わなきゃいけないから苦しいけど、向き合わなきゃ解決しない。「なぜ?」が分かれば対策が考えられる。「向き合う事でしか変われない」が分かるところまでやっときた。
— Chikarin!(ADHD) (@chikarino1) 2017年5月23日
「向き合うことでしか変われない」が分かる時って、実際に何かが少しずつ変わり始めた時なんだね。初めはそんなの嫌だって拒絶して、やっぱり上手くいかなくて、やろうと思ってやっぱり出来なくて、また上手くいかなくてを何度も何度も繰り返して、やっと入口まできた感じ(>_<)
— Chikarin!(ADHD) (@chikarino1) 2017年5月23日
全てはそこから。